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> 先物取引はめっちゃおもしろい(3)
その1、エコでとうもろこしのソバが上がるんですか!?
その2、相場ってどきどきしますぅ~
その3、先物取引は地球を読むことなんです。
先物取引は投資の手段としても使えるって説明を聞いていたユミちゃん。遠い目をしながら話すマチダ先生の経験談に引き込まれて心臓がどきどき。やだ、あたしってばと思ったら、オサダ先輩もコーフン気味。なんだか相場とか先物取引とか、イメージ違うなと考え始めているところです。
とうもろこしの値段が、どんどんどんどんろんどん上がっていってしまったという話だったね。では、もし、トレーダーとしてのボクが、そういう相場を予想していたとしたらどうだろう。とうもろこし価格は高くなると予想しているんだよ。だけれども、そうした予想を導くためにはきちんとした根拠がなくてはならない。それは米国の気象を知り、とうもろこしの需要、すなわち買いたがっている人の意向を知り、仮にその需要が日本のものであればドルと円の関係を知っておかなければならない。一方で、売りを予想している人もいるはずだよ。同じように知識を重ね、情報を収集し、分析する。そしてその結果、とうもろこし先物を売るとの判断をしてくる。 どちらが正しいか、結果は数字で明白に表れるよ。そして相場がボクの予想通りに動いてくれた場合、ボクは感激に打ち震えるね。
そうそう。それ、ボクが言いたかったことです。
予想が外れても打ち震えるんですか?
そうそう。足ががくがくきて食欲がなくなる…。って、ほっといて。
それでその後、とうもろこしはどうなったんですか。
うん。まずシカゴの状況を話そう。7月12日に5.54ドルをつけた相場は、そこから急落するんだ。実はね、これはあくまでもボク個人の意見なのだけれど、6月に入ったころから相場の風向きがおかしくなってきていた。干ばつによる生育不足、それによる在庫の減少という大きな理由があって誰もがとうもろこしを買っていたのだけれど、いつ頃からか「まだ上がる」「今日は大丈夫」という雰囲気になってきた。
本当は、長期の天候予測で、干ばつの解消に向けてまとまった降雨があることが伝えられていたんだ。だから心の中では「売りに回りたい」という気持ちが芽生える。しかし「いま売ってしまったら、みんなは『まだ大丈夫』だと思っているから価格が上がってやられてしまう」という心理が働く。 よくある例えだけれど、美人コンテストを思い描いてほしい。2人は、誰が優勝するかを当てるんだ。
え、それって、あたしが美人と思っているヒトに投票するのではなくてってことですか?
その通り。
てことは、自分の好みより、オサダ先輩好みの2次元風美少女を予想して投票するようなもの?
え~涼宮はだめだよ。気が強すぎ。ちょっと前なら綾波レイ、現在進行形なら長門有希かな。そうじゃなきゃ綾瀬風香。
え、ボクは3次元の三石琴乃でお願いします。
聞いてませんっ!それで、とうもろこしはどうなったんですか、もう(怒)。
はい、ごめんなさい。シカゴとうもろこしは約2年かけて蓄積した上昇分約3.4ドルの半分を返すほどの急落を7月後半だけで演じ、その年の末には、結局2ドル50セント台まで下げたんだ。東京も同様で、トン当たり2万1千円調の相場が1万2千円台まで下げたはずだよ。なんともドラマチックな展開さ。そうそう、これを見てごらん。これがその時の価格をグラフにしたもの。トレーダーは「価格チャート」と呼んでいる。
うわ、すごっ。値段が鉛筆みたいになっている。でも、相場で損しちゃったヒトには申し訳ないけれどドキドキ感がとまりません。
お、ユミちゃんにもボクたちの気持ちが伝わったかな。相場は儲かるに越したことはない。けれども、必ずしも儲かることと、好きなことは一緒ではないんだ。頭脳を鍛えること、世界経済や流通を勉強することにも相場は役立つよ。
せかい、けいざい、ですか?
そう。ちょっと前になるけれど、東京穀物商品取引所の理事長さんは、農産物先物取引をすることは「地球を読む」ことだっておっしゃった。ボクはね、その言葉にしびれちゃった。
東京穀物商品取引所は日本でも最も古い歴史を持つ取引所のひとつで、明治のはじめにコメの取引所として始まった。その由緒ある取引所では、いまはとうもろこしや大豆、コーヒー、砂糖、小豆などの先物取引をしている。つまり農産物だね。その農産物の先物価格の予測精度を高めるためにはどうしたらいいか。さっきもちょっと言ったけれど、農産物の成長には日照や降雨が欠かせないから産地の天候情報は欠かせない。それに流通や在庫の情報、その農産物を欲しがっている人のことも知らなければならない。通貨のことも言ったね。それだけじゃまだ足りない。流通や通貨の関係に影響を及ぼすのは政治家の発言だったり、国家と国家のお付き合いだったりもする。 そんな出来事が、回りまわって、すべて東京の穀物取引所で取引されるとうもろこしや大豆の値段を動かす原動力となるんだよ。だからね、農産物価格を予想することは、地球で起きているさまざまなことを知ること。つまり「地球を読む」ことに他ならないということさ。
うぐぅ。むずかしいですぅ。
そう。やさしくはない。でも考えてごらん。先物取引は勉強をすることによって勝つ確率を上げられるんだ。あるいは先物取引を真剣にやれば、必然的に勉強をするようになる。例えば、今年になってユミちゃんは日本経済新聞を読むようになった。どう? 日本経済新聞っておもしろい? 正直に訊かせてくれないか。
つ、つ、つま、つまら…。
大丈夫。じゃあ、今度はオサダくんに訊くよ。日本経済新聞はおもしろい?
いや、おもしろいとかおもしろくないとか考えたことないです。でも読んでいます。
そうだろうね。じゃあ、オサダくんは日本経済新聞のどこを読んでいるの?
それは経済面と企業面、国際面とあとはマーケット総合面。えと、最近は商品面も目を通すようにしています。
じゃあ、米国の信用力の低い消費者を対象に住宅購入資金を貸し出したサブプライム・ローン問題はなんで世界中に伝播したんだと思う?
えっ。それは債権の証券化ブームが絡んでいるんだと思います。そもそもサブプライム・ローンへの投資は、債務不履行リスクが高いぶん高リターン、すなわち利子を得られる仕組みになっています。住居購入者に直接的に資金を貸し出すのは米国の融資専門会社ですが、その債権は証券化され、第三者が購入しやすいように分割されたと書いてありました。その証券化された債権を購入したのがファンドに代表されるさまざまな形態の投資信託で、その投資信託には格付け会社が高い格づけをつけたため、世界中の金融機関が、世界中の投資家に販売し…。
大変結構。ユミちゃん、オサダくんのいまの説明、どう思うかな。
w(°o°)w
そうだろうね。
オサダ先輩。それって、い、いったい。先輩が出来杉くんに見える…。
ユミちゃん、ボクは驚かないよ。オサダくんにとっては普通のことさ。毎日、新聞に目を通して相場に役立つヒントを探しているだけなんだ。それがいつの間にか勉強になっている。そうやって身につけた知識は強いよ。いつか本当に相場に活かせる日がくるだろう。その日がオサダくんにとっての「地球を読む」日の到来さ。
ほ、本当ですか。
も、もちろん本当さ。5年後とか10年後とか、20年後くらいまでにはなんとか…。
見通し、わるっ!
ごほん。それはともかく、ユミちゃんはなにか感じるところがあったかな?
はい。じゅうぶん。アタシも新たな気持ちで、地球規模の経済を勉強します。そしてオサダ先輩よりも先に相場で利益を上げちゃおっかなぁ~。
うん。その意気その意気。そんなユミちゃんに、とてもタメになるサイトを紹介しよう。『商品さきもの投資家応援ナビ(
www.toushikaouen-navi.jp
)』がそれだよ。このサイトには商品先物取引のファンがたくさんやってくる。このサイトの大きな魅力のひとつは『先輩投資家の声』だとボクは思っている。商品先物取引歴なん年という先輩たちが、商品先物取引や市場についていろいろな立場から自由に意見を述べている。商品先物取引を投資手段として選んだ理由、成功談・失敗談、価格情報分析の仕方、自分で見つけた投資手法、役に立つ海外サイトやブログの紹介…。本当にいろいろ。ぜひのぞいてみることをお勧めするよ。
はい。では、きょう家に帰ったら、さっそくアクセスしてみます。センセ、ありがとうございました。