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ペーパー取引、いきます!

アタシってば金を売っちゃいました(4月1日夕刻)
金の強気を予想しているオサダくん。ユミちゃんは「塩漬け名人」の意見を尊重したからミニ金を売ることにしたんだって言ってるし。ファンダメンタルズとか為替予測とか、チャートとか、そこいら辺はイマイチだけど、まあこれからおいおい覚えていくってことで。まずは実践の練習のペーパー取引を始めますっ!
マチダ先生 じゃあいくよ。ユミちゃんは表計算ソフトのエクセルで次のような表を作ってほしい。
銘柄 限月 売/買 枚数 建玉日 約定値段 値洗
損益金
仮差引
損益金
取引
証拠金
預り証拠金
余剰額
                   
                   
マチダ先生 いいかな。できたら必要な事柄を順番に書き込んでいこう。まず取引する商品、つまり「銘柄」は「金ミニ」だね。
ゆみチャン はい、センセ。つぎは「かぎりづき」ですね。
銘柄 限月 売/買 枚数 建玉日 約定値段 値洗
損益金
仮差引
損益金
取引
証拠金
預り証拠金
余剰額
金ミニ                  
マチダ先生 うん。それはね「限月」と書いて「げんげつ」と読むんだよなぁ。ここできのうの相場表を見てみよう。

【東京工業品取引所・金ミニ取引相場表(2009年4月1日)】

限月 前日引値 始値 高値 安値 終値 前日比 出来高
09/4 2,910 2,922 2,922 2,922 2,922 +12 0
09/6 2,911 2,930 2,938 2,904 2,921 +10 14
09/8 2,912 2,925 2,938 2,908 2,920 +8 32
09/10 2,912 2,925 2,941 2,915 2,920 +8 347
09/12 2,915 2,905 2,944 2,905 2,930 +15 1,713
10/2 2,918 2,932 2,949 2,919 2,932 +14 17,957
マチダ先生 限月の欄は一番ひだり。そのまた一番上の「09/4」というのは2009年4月のことを表している。同様に「09/6」は09年6月ということだね。これはその月のあらかじめ決められた日になったら取引が強制的におしまいになってしまうことを意味しているんだよ。その日の最後の取引のことを納会(のうかい)というのだけれど、先物を買ったり売ったりしている人は、その時までに差金決済をするのか、それとも現物のやり取りをするのか態度を決めなくてならない。
 さて、もう一度相場表だけれど、今度は右端の「出来高」の欄を見てごらん。単位は「」だよ。4月限はゼロだ。つまりこの日には取引が成立しなかったってこと。しかし6月、8月、10月、12月、そして2010年の2月と限月が先に進むごとに出来高が増えていることがわかる。先の限月のことを「先限(さきぎり)」とか「期先(きさき)」または「先物(さきもの)」と言うよ。逆に納会に近い限月は「当限(とうぎり)」にはじまって、「2番限(ばんきり)」「3番限」…と呼ぶ。先限の反対は「期近(きぢか)」だね。
ゆみチャン アタシ、期先が期近の限月よりもたくさん取引ができるキモチわかります。みんな期近よりも期先で取引する方が利益をあげられるチャンスが高いと思っているからかじゃないかな。期近で納会が近ければそれだけ取引の終わりが早く来ちゃって、仮に取引が損になっている場合には逆転の確率が減ってしまうもの。
マチダ先生 うん、いいところに気がついた。いずれにせよ期近は取引が成立していないからユミちゃんは一番人気がある先限の12月限を売ることにしよう。だからひだりから3番目の「売/買」の欄は当然「売」になるのだけれど、ユミちゃんはいままで売りも買いもしていなかったから「新規」ってこと。
ゆみチャン わかります。じゃ、次は何枚売るかですよね。アタシってば30万円の資金がありますから本証拠金額が2万円の金ミニなら15枚取引できる計算だけど、センセはぎりぎりの取引はだめだって言ったし…。なら2枚はどうですか?
マチダ先生 いいねえ。それなら余裕がある。取引証拠金額は4万円。用意した資金にから4万円を引いた残りが「預かり余剰金」ってことになる。実際に取引をする時には、ユミちゃんは30万円の資金を商品取引会社に「預ける」ことになるからだ。そこまでを表に書き込むとこうなるよ。
銘柄 限月 売/買 枚数 建玉日 約定値段 値洗
損益金
仮差引
損益金
取引
証拠金
預り証拠金
余剰額
金ミニ 10/2 売/新規         40,000円 260,000円
ゆみチャン 表が埋まってきました。
マチダ先生 最後はいくらで取引が成立したか。今回は今日の終値(おわりね)で取引ができたことにしよう。終値というのは1日の取引で最後に成立した値段のこと。相場表には始値(はじまりね)、高値(たかね)、安値(やすね)と並んで書いてあるよね。始値は1日の最初に成立した値段、高値は1日で最も高い値段で安値はその逆。この4つの値段をワンセットにして「4本値(よんほんね)」と呼ぶんだ。で、本日の終値は…。
ゆみチャン 2932円です。
マチダ先生 そうだね。取引をしたのは4月1日。だから「建玉(たてぎょく)日」のところには「4/1」と記入する。建玉というのは買いでも売りでも取引をしたことを意味している。ユミちゃんは今回は「売り建玉を2枚」持ったことになる。それじゃあ、それを表に書き込んで明日の相場を待つことにしよう。
ゆみチャン あ〜なんだかどきどき。今日は眠れそうにもありませんっ!
オサダくん あした会社で寝ないでね。
ゆみチャン どきっ!

銘柄 限月 売/買 枚数 建玉日 約定値段 値洗
損益金
仮差引
損益金
取引
証拠金
預り証拠金
余剰額
金ミニ 10/2 売/新規 4/1 2932円     40,000円 260,000円

*本稿における登場人物の会話は、実際の相場の値動きを保証するものではありません。


ゆみチャン



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